「インデックス投資ってなに?」という初心者にこそ読んでほしい「全面改訂 ほったらかし投資術」山崎元、水瀬ケンイチ著

こんにちは。ミドノン(@LearnMidonon)です。

今週、読んだ本を紹介します。

全面改訂 ほったらかし投資術です。

購入して1回読んでいたのですが、感想を書くのを忘れていたので、お金は寝かせて増やしなさいを読んだついでに記事にしました。


最初に読んだのが7/9なので、5ヶ月くらい放置してますね……

なぜこの本を読んだのか

実は12月の読書テーマは「お金」でした。

まぁ、テーマと言えるほど冊数を重ねられていませんが……

 

それはさておき、この本を選んだ理由の1つは、帯にあった「もっとも簡単でもっとも安心な最強運用術」という言葉に惹かれたことです。

投資の勉強を始めた頃から水瀬さんの梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)を読んでいたのも大きいですけどね……

基本情報

どんな本か

投資=うさんくさい、パソコンに張りつきっぱなしというイメージを持たれがち。

そのイメージに反した、「わかりやすくて、手間いらずで、負けにくい」インデックス運用について説明している本。

かなりの初心者を想定してるようで運用とは何か、生活防衛費、証券口座の開設方法などから説明してある。

人気の本なので書評もたくさん。

目次

【序章】人はどうしてインデックス投資家になるか
水瀬ケンイチの投資遍歴

【第1章】さっそく、初めてみよう!
インデックス投資の正しい手順ガイド

【第2章】一歩先行くあなたへ
インデックス投資説明編

【第3章】商品ガイド編
インデックスファンド、ETFの「ミナセ・ミシュラン」

【第4章】マニア向けの特別付録:ETF運用の現場を知りたい!
日興アセットマネジメント ETFセンター長・今井幸英さんに聞く

インデックス投資をするまでの手順

「投資をはじめようかな」と思っても、なにからやればいいのか検討がつかないですよね。

この本では「個人がお金を運用する正しい手順」について、次のように述べています。

個人がお金を運用する正しい手順

  1. 家計の状態を把握する
  2. 資産配分(アセットアロケーション)を決める
  3. アセットクラスごとにベストな商品を選ぶ
  4. 商品を売買する金融機関を決める
  5. DC(確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)を最大限に利用する
  6. モニタリングとメンテナンス

 投資と聞くと、ついつい「何をいつ買うのか、いつ売るのか」というものだと想像しちゃうんですけど、違いますね。

「いくらまでの損失までなら許容できるのか」を考えるのは当然のことなんだけど、忘れがち。

この本では「自分が許容できる損失はどのくらいか」を考えるヒントも説明しています。

 

アセットアロケーションについて、国内:国外の株式割合を5:5とするものを紹介していました。

これについては個々人でいろいろ思うところがあると思います。

私は「給料を日本企業からもらっている=日本企業への依存度が高い」と考えているので、投資の分野において国内:国外の比率を5:5にすると「全体で日本に偏りすぎ」になるように感じています。

 

そして、投資のリスクを左右する非リスク資産については次のようにありました。

先進国の債券はここから先、当面は利回りの低下余地が小さいとなると、「リスク資産」の中に必要ないという結論になりました。

日本の長期金利(10年国債の流通利回り)が少なくとも2%を超えるまでは、概ね問題なく有効な方法であり、しかも、2%を超える時点までの間に大きな不利を被ることはありません 。

当面の間は非リスク資産の部分は現金でいいかな~。

いっそ非リスク資産なし、株式クラスに全ツッパでもいいかもしれません。

(あくまで私の考えです。投資は自分の判断、自己責任で)

 

アセットクラスごとに商品を選ぶ際、参考になりそうな記述もありました。

手数料は「リスク・ゼロで発生するマイナスのリターン」であり、確実に運用パフォーマンスを悪化させる原因です。

考えてみれば、あたりまえの話か。

リターンはその期間が終わらないとわからないのに、手数料は投資が始まった瞬間には確定してるもんね。

そりゃあ、少しでも安いものを求めるよ。

ただ、あまりにもファンドの利益が少なすぎると、繰上償還がありそうで怖い。

一般的に、投資信託は100億円の純資産があれば安心と言われているようです。

こうあったから、ファンドを選ぶ時の1つの基準にしてみようかな。

「もしも」の際も、紙くずにはならないみたいだけど……

投資信託は、万が一、販売会社・運用会社・信託銀行のいずれかが破綻してしまったとしても、投資家の資産は制度的に守られており、株式のように投資家の資産が紙くずになるようなことはありません。

ちなみに選択のポイントとして、次のような記述がありました。

インデックス投資の商品選択のポイント

  • 信託報酬・実質コストができるだけ低い商品
  • 純資産額が大きい商品
  • 不安定な要素ができるだけない商品
  • 利便性が高い商品 

 

モニタリングについては結構さらっとしてました。

ポートフォリオのモニタリングは、テレビのニュースやネットの情報などで、「インデックスの上下を気にしておく」という程度の関心の持ち方で結構です 。

個別株だと四六時中、張り付いてないといけないのかな?

この本では、次の指標について前日の値との比較変化の理由を考えることを勧めてた。

  • 日本の株価(できれば TOPIX、 日経平均でも可)
  • 米ドル・円の為替レート
  • ニューヨーク・ダウ
  • 長期金利(10年国債の流通利回り)

メンテナンスは「リバランス」として紹介されてました。

年に1度だけはやらなければいけないことがあります。それが「リバランス」最初に決めた目標アセットアロケーションからのずれを修正する作業です。

ただ国内:国外=5:5として設定したのに対して、4:6あるいは6:4くらいなら何もしなくて良いそうです。

「だいたいでいいんです」とのことでした。

 

年に1回なら、時間に余裕のある長期休暇のどこかですかね。

年に1回だけじゃなくて、もっと多くてもいいようなので、忙しさと興味次第ですね。

インデックス投資の長所と短所

インデックス運用の長所

  • 手数料が安い
  • わかりやすい
  • 負けにくい 

 これらの長所というのはアクティブ投信と比較してだそうです。

本書中の説明ではインデックスを上回る成績のアクティブ投信は20~30%あるそうですが、私は見抜ける自信がありません。

インデックス運用の短所

  • お金を増やすのに時間がかかる
  • 退屈
  • ダメ企業にも投資してしまう

インデックス投資は良いところばかり紹介されることが多いです。

本書ではちゃんと短所にも言及されていました。

個人的にこれらの短所は「長所の裏返し表現」だと思っています。

  • 「増やすのに時間がかかる」=リスク(変動幅)が小さい
  • 「退屈」=投資以外に集中できる
  • 「ダメ企業にも投資してしまう」=よい企業を逃しにくい

 

ちなみに「長所ばかり紹介されることが多い」つながりで、ドルコスト平均法についても……

ドルコスト平均法も含めて「時間分散」を行う投資法は、投資すべき資金が既にあり、最適な投資額が決まっているとすると、時間・手間・コストがそれぞれ余計にかかるのと共に、投資が完了するまでの期間に十分機会を利用できない「機会コスト」もかかるので、「気休めにはなっても、合理的ではない方法」です 。

まぁ、そうですよね。

資金がすでにあり、底と天井がわかるのなら無駄ですもんね…

次のようにまとめてありました。

「天引きは行動経済学的に有効だ」

「ドルコスト平均法や投資タイミングの時間分散はそれ自体として別段有利ではなく、時に弊害もある」 

 インデックス投資をする上でのマインド

「一気に儲けるのは難しい」「退屈」と飽きる要素の多いインデックス投資。

その飽きをなんとかするための「コツ」がたくさんありました。

それらのなかで「これは良い」と思ったものを紹介します。

資本主義経済のゆっくりとした成長を長期で取り込んで行こうというのがインデックス投資です。人々の欲望をエンジンにした資本主義経済のサイクルが止まることは、今後もないのだろうなと能天気に信じています。

暴落した時に著書はこう考えるそうです。

初めてこのフレーズを見た時、一目惚れしました。

 

確かに人間の欲望は、良くも悪くも際限がありません。

???「欲望ある限り何かが変わり、生まれる。今日という日を明日にすることさえ、欲望だ」

 

相場が下がると「安く仕込めてて嬉しい」という気持ちになり、相場が上がると単純に「資産が増えて嬉しい」という気持ちになり、「上がっても嬉しい、下がっても嬉しい」という心境になることがあります 。

投資でよくある悲劇は「相場のタイミングを誤り、怖くなって安値で売ってしまう」ことです。

上記の考え方ができるようになれば、この悲劇を回避するのに役にたちそうです。

まとめ

長くなりましたが、まとめます。

この本を読んだ目的

投資に興味があったが、1日中張り付くのは無理。

「ほったらかし」という響きに興味をもち、日常生活に悪影響を与えない投資手段を学ぶために読んだ。

また、著者である水瀬さんのサイトのファンであるから。

良かったこと、感じたこと

専業ではなく、兼業投資家にはインデックス投資が向いているのだと感じた。

また、インデックス投資をする上で役にたつ「考え方」を学べて良かった。

また、国内:国外=5:5とわかりやすい比率なので、初心者にはとっつきやすいように感じた。

その反面「もうすこし知りたいな」と思う人には、やや物足りないかも…

どう活かすか

個人がお金を運用する正しい手順

  1. 家計の状態を把握する
  2. 資産配分(アセットアロケーション)を決める
  3. アセットクラスごとにベストな商品を選ぶ
  4. 商品を売買する金融機関を決める
  5. DC(確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)を最大限に利用する
  6. モニタリングとメンテナンス

 上記の手順を参考にして、投資の計画をたてる。

また、インデックス投資をしている途中で挫けそうになったときに思い出す。

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