こんにちは。ミドノン(@LearnMidonon)です。
TwitterのDMで質問をいただきました。
「日本で技術者として行きていくのは給与の面で不利なので文系就職しようと考えています。」という内容で、話していて思うところがあったので記事にしました。
※本人から記事化の許可はいただいてます。
ツイッターでいただいた質問の概要
質問者の方は理系の大学4年生だそうです。
某国立大学院(化学工学)に合格されましたが、日本で技術者として行きていくのは給与の面で不利と考えて文系就職しようと考えているとのこと。
具体的には他大学でMBAに行って金融コンサルに行くことを考えているとのことでした。
質問は次の3つです。
- 「化学工学は需要がある」って言うけど、給与は他の職種よりも高くなるの?
- 化学工学とMBAどっちに進学すべき?
- 文理のトップ層の年収傾向が逆転する可能性はあると思う?
私は理系→文系就職した方に会ったことがなく、また金融系の知識に乏しいことを前提として回答します。
あくまで「理系・メーカー・技術職」としての考えなので。
「化学工学は需要がある」って言うけど、給与は他の職種よりも高くなるの?
①化学工学者は引っ張りだこなので、メーカーでは給与が他の専門より高くなるとかってありますか?
それなら日系メーカーに務めるのもありかなと思ってます。
ブログとか見てる限りその可能性は無さそうだなとは思いますが…。
某国立院卒だからといって特に高くなるわけでもないですよね。
35歳以前に年収1000万到達であれば嬉しいです。
化学工学者は割とどのメーカーでも引っ張りだこです。
実際、私自身も化学工学→生産技術ってことで実力以上の会社に入れたっぽいし……
研究職に向いてないと確信した大学院生が生産技術職で就職した話
ですが、他の専門と給与は変わりません。(ほとんどの日系新卒で同様だともいますが)
研究職でも生産技術職でも同じです。
ちなみに海外でのケミカルエンジニア・プラントエンジニアは高給らしいですが、本当なんですかね??
また、35歳以前に年収1000万はよほど残業しないと厳しいと思います。
弊社の場合だと、35歳で800万/年くらいです。(残業代なし)
40歳くらいで管理職になり、1000万になります。(無限残業)
ここまで全社員ほぼ横並びで到達するみたいです。
まさに古き良き日本企業って感じですね。
化学工学とMBAどっちに進学すべき?
②理系院生は金融コンサルで有利であるので、化学メーカーに務める気が全く無いけど今の大学のまま大化学工学に行くことも考えています。
某国立大学(学部とは別)MBAは名前はかっこいいですが、所謂文系院生になってしまうので金融への就職を考えた時にどうなんだ?という心配があるのですが、金融コンサルに行く気満々ならどちらに進学するべきでしょうか?
ちなみに、工学部や化学工学コースに入ったのは特に興味があるとかではないので2年間の理系研究に耐えられるかどうか不安です。
研究やってやるぜ!とかのやる気も特にありません。
他の学生も多くはそうだと思いますが…。
金融コンサルに行く気満々ならどちらに進学するべきでしょうか?」とのことですが、金融系についての知識がかけているので、なんとも言えません。
誰か教えてください。
ですが、「理系院政は金融コンサルで有利」と言うのは数学系・理論物理系など「数学が専門」レベルの話ではないのでしょうか?
とりあえず両大学院・研究室の卒業生実績を見るのがいいかと。
「2年間の理系研究に耐えられるかどうか不安です。」とのことですが、慣れるので大丈夫です。
最初は興味がなくても、やってるうちに好きになってくる場合も多いです。(教官の洗脳とも言えますが)
文理のトップ層の年収傾向が逆転する可能性はあると思う?
③特に金融商社コンサルなどと比べて大企業メーカーでは年収として理系研究者技術者が優遇されているとはとても思えない日本ですが、これから文理のトップ層の年収傾向が逆転する可能性はありと思いますか?
私は絶対にありえないと思うので文系就職しようと考えました。
もっと理系の方はお金を要求すべきです!
大学で勉強したり先輩方のゼミ研究進捗発表を見たりすると、こんなに大変で難しいことをやってるのになんで給料が低いのか本当に理解できません。
少なくともメーカーに務めてる人は給与は文系<理系になるべきだと思います。
以上のような現状では優秀な理系院生が外資や金融に行きたがるのも当然で日本の技術はどんどん廃れていくことになると思います。(既に?)
「これから文理のトップ層の年収傾向が逆転する可能性はありと思いますか?」→トップを考えると「ゼロではない」と思います。
IT系などで「技術力でスタートアップ作る→売却」のルートがあるので。
直近ですと「質問箱」のサービスを作った人が数億円でサービスを売却したはずです。
まぁ化学系でそのコースはまず無理ですが。
日本の技術者の給料が安い理由は私もわかりません。
考えてみると
- 製造業であるが故の利益率の低さ
- ジョブ制ではなくメンバーシップ制
- 基本的に辞めないから舐められている
って感じですかね?
製造業はお金→現実の物質→お金のようにビジネスのサイクル中で物質を介在するため、直線お金をいじる金融や情報をいじるITに比べて利益が低いのだと思っています。
確かにトップ層だけを比較すると「理系が恵まれている」とは言えません。
ですが、理系のメリットを最大限享受できるのは、私のような「中間層」だと考えています。
飛び抜けたものがなくても、そこそこの場所に落ち着けるので。
報われないのに仕事を一生懸命頑張れる??
質問トークが終わった後、次のように零していたのが印象的でした。
アメリカだと化学工学は割と稼げるのに日本だどなぜ…というのがほんとに不思議で需要あるなら給料が他より多くなるはずですが、横並びということでインセンティブが無いのに仕事を一生懸命頑張ろうと思えるはずがないと思います。
実際に化学メーカーで働いていて思うのですが、「仕事の質と給料が連動していない」んですよね。
- めっちゃ仕事のできるAさん
- ぜんぜん仕事のできないBさん
ほとんど年功序列の給与制度なので、入社年度が同じならA、Bの給与はほぼ同じです。
ボーナスの評価額で多少の差はつきますが、振られる仕事の負荷を考えると割に合いません。
「将来的な出世」で報われるのかもしれませんが、不確実だし……
ただ、一点言いたいことがあります。
それは「インセンティブが無いのに仕事を一生懸命頑張ろうと思えるはずがない」についてです。
確かに営業職のようなインセンティブはありません。
もちろん「仕事をすればするほど給料が上がる」わけでもありません。
でも、「納期とコストとクオリティ」を三立できるように一生懸命頑張って仕事をしています。(ほとんどの人は)
何もメリットないのに不思議ですよね。
「どうしてかな?」と考えると、良くも悪くも真面目な人が多いんですよ。
振られた仕事はしっかりやる、自身のできる全力を出す、そんな人が多いです。
なので居心地はいいんです。
けど、「待遇が見合っているか?」はあまり考えないんですよね。
社内・業界内で給料水準が似ていることもあって、余計に考えないのかもしれません……
海外みたいに転職が身近になったら意識も変わるのかもしれません。
選んだ道は??
質問者さんから続報が届きました。
結局進路としては、学部と同じ大学の理系大学院に進学して文系就職・理系就職の両方できるようにしました!
最後に
理系大学に在籍しており、大学院を理系進学or文系進学で迷っている方からの相談でした。
海外の技術職に比べて待遇が低いのは本当になぜでしょうかね??
質問などあったら質問箱やDM、お問い合わせフォームから
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